アトピーのこと

自然界を感じる皮膚。梅雨時期のアトピー性皮膚炎は、色々と重い。

風薫る新緑の五月、過ごし易く好きな季節は短い。

春が去り、6月、あっという間に空気が重く粘り気さえ感じる。

早いと5月末、梅雨直前は私にとって辛い季節となる。

「体が重くて鈍い」「頭痛もちに辛い時期」「ただただ気が滅入る」等と、

6月は健康な人々ですら体調や気分に何かしら表れ易い。

不調が出やすいアトピー肌は、即!反応

梅雨入りの前から皮膚がモゾモゾ、表皮の下に微生物でもいるんじゃ?と思うほど

肌がうごめく嫌な感覚、毎年の皮膚モゾモゾ感は正確である。

 

モゾモゾし始め数日が経つと、肌にプツプツした赤い点が表れる。

それが広がり、徐々にタダレとして繋がり、点が塊の赤みを帯びた斑点となる。

全身にアトピー症状があった頃、梅雨入りも夏場も秋も冬も、全シーズン辛い状態。

12ヶ月ずっと辛いので「梅雨だけが」という感想はなかった。

アトピー酷くなるから6月は嫌いと言える、今の方が〈私の皮膚が回復した証〉だろう。

これまでアトピー性皮膚炎の人と多く出会ってきた。

外見に症状が出てるので隠しょうがない。

お互い辛いょねぇ的な会話を交わす事もあったし、同じ病状と言われても、触れて欲しくない人もいる。話題にしたくない思いは尊重。アトピー話は全くしない。

私が接触した人々の数など、私も含め、数多のアトピー患者の中で、極極少数でしかない。

それでも、梅雨時期が辛い人もいれば、空気が乾燥する冬の方が肌に辛いと言う人もいた。

抱えている悩みも苦しみも千差万別だし、「ワタシの方が辛い目に遭っている」等と比較ができる程、この病も単純ではない。

私個人でいえば冬が好き。

空気の乾燥は保湿対策をすれば良い、湿気に比べたら遥かに体が楽と言える。

梅雨が近付く5月末から6月初めにプツプツ赤いのが皮膚に表れ、

ひと夏ずっと私の肌の上に居座って、

暑さは残るが、空気が乾き始める8月後半に、徐々にプツプツ感が軽くなってゆく。

毎年、このパターンが続いている。

 

23歳の夏、ステロイド軟膏を止めた。

一切、止めてから、もう30年近く皮膚に薬類は何も塗っていない。

今でも体部分に(美容の為の)保湿クリームやオイル等も使う習慣はない。

アトピー性皮膚炎の人向けと称した商品を使う事もなかった。

お風呂から出たらタオルで拭くだけ。

顔と首の一部は保湿しないとマズイ年齢と考え保湿はする。

胸元/デコルテから下は野晒しの皮膚。

それ故に季節の変化は肌に、そのまんま表れ易いのだろうか。

自分の荒れてタダレた肌の上に季節を感じる。

梅雨、初夏から夏、風の乾き、秋風、晩秋、冬、春の気配、春爛漫、新緑と

自然界がダイナミックに動いていく様を、自分の体で知る。

 

8月のお盆(関西)が終わると肌の調子が変化する。

梅雨は体が重くなり、顔と首と胸元の皮膚が激しく荒れる。

8月半ば、気温が熱くても秋風を感じる頃、タダレてる皮膚も乾き始める。

毎年、それが感じられる。

ステロイド軟膏を処方され、毎日、塗っていた頃、こういった変化を知らなかった。

約2ヶ月半ほど気が滅入る日々に、汗取り用の手ぬぐい。

いつでも大判ハンカチ(綿製)、すぐ交換できるように肌着、風呂セット、

そして洗濯は『ケチらず』に。辛い皮膚へせめても、の事。

皮膚に長く汚れを残さない。シャワーで洗い流す時に、石鹸でゴシゴシとせず。

汗をとる。