アトピーのこと

秋冬のアトピー肌、2023年のお正月

以前、アトピー肌の私は自分の内から出る汗で肌荒れを起こすと書いた。

湿度が高い梅雨入り前から夏は、汗対策に苦慮する、それは今も変わっていない。

じゃ、空気が乾燥する秋冬は?と言えば、

昔は「眼中になかった」というのが正直な感想になる。

本格的に重症アトピーな肌だった時代、一番の悩みは痒みとタダレ。

お世辞にも美しいと言えない(と自分では思う)皮膚に悩み、

酷い時はジュクジュクと黄色い汁が流れ、全身は掻きむしった傷から血が流れ、

そこから菌が入るせいか微熱や体熱感が続き、いつも寒気に震えていた。

不快さと疲労感が勝るので「ちょっとした乾燥」など意識にのぼらなかった。

それより痒いの、何とかしたい!!!

それより赤鬼のごとき真っ赤な肌を鎮めたい!!!

皮膚が鱗の様に剥がれ落ちるの、止めたい!!!

切実さでは、冬の乾燥なんぞ遥か後回し。

本来なら肌に弾力や潤いがある10代~30代が、そんな状態。

重体的なアトピーから、ややマシになり重症のアトピー、

少し改善した40代は『やっぱりアトピー』を経て、

今は『なんとか日常生活を送れているアトピー』となった50代。

自分でも意外だが「冬になると肌が乾燥するのは気になる」と

毎年、11月に感じるようになった。

特に口元の「乾燥するとほうれい線って縦に傷ができる」と驚く。

目元や眉間のシワが深くなるのも秋冬。

それが気になるから「保湿しなければ」となる。

えらい変化だ。昔の自分に、今の自分をみせたら魂消るだろうな…

つまり!冬場には肌が乾燥して困る、と体感できるほど

私の肌は、もう『健康に近くなったアトピー』なのだと思う。

これは私が日々、感じてきた肌感覚。

元が健康肌の人は、たぶん「肌荒れがひどいね、痛そう」と思うだろう。

それは仕方ない、元の土台が異なれば肌基準や感じ方、ひいては喜びすら違う。

私の中では「秋冬に乾燥を気にする自分になった」ことが新鮮。

こういった感情はアトピー性皮膚炎の症状ゆえだが、それは極一部の感想である。

病っちゃ大変だ、アトピーだって病の一種。それはそれで大変なのだ。

私という一つの個体の、皮膚状態に幾つかの段階がある。

本格的な悪化期でタダレていたら『お手入れ』ではなく、皮膚を回復させる我慢期。

お手入れだ、保湿しなくては、といった発想にならない。

「肌が乾燥してるから保湿しなくては!」と言えるのは、

タダレてもおらず、湿疹もでてない、掻きむしった傷がない状態の時のみ!!!

一見、傷も赤みもない肌だが手触りが気になったり、このままいけば荒れるだろう前、

そういったコンディションを見極めて、保湿を目的とした品を使う。

(実は、必要あれば夏場も保湿に精をだすが、それはまた別のお話。)

 

アトピー症状がひどくない、且つ、このままでは皮膚ポロポロ剥がれる、

その時に保湿をするとポロポロ防止になる。

上手く防止できたら(※タイミング見誤り肌荒れの引き金にもなるが)やった~!

そのまま保湿を続行。

ん?これは手応えがマズイかも??と感じたら、保湿すら止める。

止める、続けるは「自分の肌に聴け」としか言い様がない。

自分の手で確かめ、体感を素直に受け止める。

そこに〇〇さんお勧め等の、他者の意見は入らない。

こればかりは医者にすら頼らず自家製でいく。

長い年月、とてもとても長い時間をアトピーに費やしたので、

自分の肌のと対話は慣れている。

2023年の新年、残念ながら肌状態は好調でなかった。

原因不明だが、何故か額のみ肌荒れが強い。

ほうれい線や目元は例年よりマシである。

〇星、●星、引き分けか!?

毎年の運勢は元旦の肌状態で決まる!というほど、私のアトピーは仙人化してない。

強いて言うなら、梅雨時期や真夏の肌コンディションが『1年の計』あり。

今年のお正月は傷なし、やや赤みの肌、シワが深いの例年通り。

自分で触って、手応えを感じ取って、保湿の方針を決める。

使う保湿剤もその時々で変わる、肌が欲しがる品を見極める。

こうして2023年、私はアトピー肌で生きている。

少しでも乾燥を軽減して「しっとり」させたい。

春になれば波乱の肌、今は今の肌状態を味わっている。