肌の状態にも歴史がある。
昔、いつもアトピー症状が悪化していた頃、季節に関しての感覚はなかった。
全身の表皮がタダレて汗がでない、その影響で体内に熱がこもっていた。
玉の如き(清涼飲料水のCMみたいな)爽やかな汗はなく、滲む程度の汗
塩分やら成分が皮膚に残ると絶えず痒い。
内から蒸されるような熱感(体温は平熱)と、肌は真っ赤にタダレて
黄色い汁が雫のように流れる。
常に皮膚表面はジュクジュクと湿っていた。
全身あちこち(自分で掻きむしってしまい)傷だらけで、血が滲んでいた。
この状態だと悪寒も止まらない。
体は熱感と悪寒が同居して絶えず緊張を強いられ、妙に力が入ってしまい、
心身共リラックスを知らなかった。
アトピー性皮膚炎が全身に『長期間』ずっと表れると、頭から足先まで体が強張る。
血行も悪く疲労感がとれない。
皮膚表面だけの問題でなくなっていたが、解決方法を知らなかった。
かつて悪化したアトピー症状に苦しんだ頃に比べて、皮膚状態が安定した現在は、季節の流れ、特に空気中の湿度にば敏感になった。
頭痛もつ人は気圧に敏感と言われるように、花粉症の人が季節に敏感なように、
私は湿度に反応する。
ステロイド軟膏をはじめ薬類でアトピーを管理していない今では、
梅雨入り直前から8月半ば、一番辛い季節。汗対策が鍵となる。
これが私の体の特徴。
空気中に湿度が減る8月末から、ぐっと体調が楽になる。
9月から10月は陽射し強く、それを避けていれば皮膚は痛くない。
10月から11月前半、気温が下がり上がりを短期間で繰り返すと、自然界の流れに体がついて行けない。
この時期は寝不足が大敵で、睡眠をケチると風邪を引き、そこから肌荒れを起こす。
11月末になると落ち着く。
毎年、この時期になると踵(かかと)ヒビ割れ対策、眉間シワの深掘り防止策
顔には、ほうれい線の筋対策が必要だが、アトピーそのものに悩まされる事は減る。
12月も1月も安泰。
2月がクセモノで、毎年、やや気分が滅入り易くなる。
気の滅入りが暴飲暴食を呼び、それが肌荒れにつながる。
如何に自分の心を護るか?が鍵になる。
この時期はバレンタイン商戦に気分が巻き込まれるとマズい。
肌ウンヌンと言うより『気分のハザード』がある。
無事に2月を越えると3月は楽しい、私は一年間の中で最も好き。
春先、まだ肌寒いけど陽射し柔らかく湿度が少ない。気分も浮き浮きしてくる。
4月も同じ。これは私がもう若くはないから。
学生時代も20代も、4月は慌ただしい気持ちになった。
転勤等ある30代も、3月4月は心も体も目まぐるしい。
春は別れて出会う季節、人間関係が大きく変わり易い。
家ごと移動する人も多い時期ゆえ誰かと少し距離ができ、そのまま疎遠になる事もあり、
逆に、新たに知り合う喜びと緊張。そういった変化は心にも影響した。
なぜ皮膚の症状に『気分』にまで言及するのか?と訝しむ人もあると思うが、
長年の経験から『アトピー症状と精神状態(気分、含む)は密接に影響し合ってる』と私は感じる。
皮膚と精神状態、どちらを先に「何とか」すれば効率よいのか?
未だに判断がつかない。
数年後には変化する可能性もあるが、私の皮膚12ヶ月の流れは現在、これ。
今でもアトピー症状が体に残るので梅雨時期は特に、うっとうしい!と思う。
それでも、年間の体調や自分自身の〈皮膚の感じ〉知る事は、色々な意味で便利だと思う。