以前、アトピー肌の私は自分の内から出る汗で肌荒れを起こすと書いた。
湿度が高い梅雨入り前から夏は、汗対策に苦慮する、それは今も変わっていない。
じゃ、空気が乾燥する秋冬は?と言えば、
昔は「眼中になかった」というのが正直な感想になる。
本格的に重症アトピーな肌だった時代、一番の悩みは痒みとタダレ。
お世辞にも美しいと言えない(と自分では思う)皮膚に悩み、
酷い時はジュクジュクと黄色い汁が流れ、全身は掻きむしった傷から血が流れ、
そこから菌が入るせいか微熱や体熱感が続き、いつも寒気に震えていた。
不快さと疲労感が勝るので「ちょっとした乾燥」など意識にのぼらなかった。
それより痒いの、何とかしたい!!!
それより赤鬼のごとき真っ赤な肌を鎮めたい!!!
皮膚が鱗の様に剥がれ落ちるの、止めたい!!!
切実さでは、冬の乾燥なんぞ遥か後回し。
本来なら肌に弾力や潤いがある10代~30代が、そんな状態。
重体的なアトピーから、ややマシになり重症のアトピー、
少し改善した40代は『やっぱりアトピー』を経て、
今は『なんとか日常生活を送れているアトピー』となった50代。
自分でも意外だが「冬になると肌が乾燥するのは気になる」と
毎年、11月に感じるようになった。
特に口元の「乾燥するとほうれい線って縦に傷ができる」と驚く。
目元や眉間のシワが深くなるのも秋冬。
それが気になるから「保湿しなければ」となる。
えらい変化だ。昔の自分に、今の自分をみせたら魂消るだろうな…
つまり!冬場には肌が乾燥して困る、と体感できるほど
私の肌は、もう『健康に近くなったアトピー』なのだと思う。
これは私が日々、感じてきた肌感覚。
元が健康肌の人は、たぶん「肌荒れがひどいね、痛そう」と思うだろう。
それは仕方ない、元の土台が異なれば肌基準や感じ方、ひいては喜びすら違う。
私の中では「秋冬に乾燥を気にする自分になった」ことが新鮮。
こういった感情はアトピー性皮膚炎の症状ゆえだが、それは極一部の感想である。
病っちゃ大変だ、アトピーだって病の一種。それはそれで大変なのだ。
私という一つの個体の、皮膚状態に幾つかの段階がある。
本格的な悪化期でタダレていたら『お手入れ』ではなく、皮膚を回復させる我慢期。
お手入れだ、保湿しなくては、といった発想にならない。
「肌が乾燥してるから保湿しなくては!」と言えるのは、
タダレてもおらず、湿疹もでてない、掻きむしった傷がない状態の時のみ!!!
一見、傷も赤みもない肌だが手触りが気になったり、このままいけば荒れるだろう前、
そういったコンディションを見極めて、保湿を目的とした品を使う。
(実は、必要あれば夏場も保湿に精をだすが、それはまた別のお話。)
アトピー症状がひどくない、且つ、このままでは皮膚ポロポロ剥がれる、
その時に保湿をするとポロポロ防止になる。
上手く防止できたら(※タイミング見誤り肌荒れの引き金にもなるが)やった~!
そのまま保湿を続行。
ん?これは手応えがマズイかも??と感じたら、保湿すら止める。
止める、続けるは「自分の肌に聴け」としか言い様がない。
自分の手で確かめ、体感を素直に受け止める。
そこに〇〇さんお勧め等の、他者の意見は入らない。
こればかりは医者にすら頼らず自家製でいく。
長い年月、とてもとても長い時間をアトピーに費やしたので、
自分の肌のと対話は慣れている。
2023年の新年、残念ながら肌状態は好調でなかった。
原因不明だが、何故か額のみ肌荒れが強い。
ほうれい線や目元は例年よりマシである。
〇星、●星、引き分けか!?
毎年の運勢は元旦の肌状態で決まる!というほど、私のアトピーは仙人化してない。
強いて言うなら、梅雨時期や真夏の肌コンディションが『1年の計』あり。
今年のお正月は傷なし、やや赤みの肌、シワが深いの例年通り。
自分で触って、手応えを感じ取って、保湿の方針を決める。
使う保湿剤もその時々で変わる、肌が欲しがる品を見極める。
こうして2023年、私はアトピー肌で生きている。
少しでも乾燥を軽減して「しっとり」させたい。
春になれば波乱の肌、今は今の肌状態を味わっている。