①②、③と治し方の前段階のこと、書いた。
20年ほど昔の事だが、
ある時、友人宅の飲み会で、私の荒れた肌をみた人が
「自分も重症のアトピーで。あなた並の症状やった」と
話し掛けてきた。その人は同年代で、私くらい酷い肌??
きれいな肌をしているのに??と怪訝そうな私に
「前は、そやってん」と言う。以前は重症アトピーだった。
でも、今は乾燥肌な質感でも、健康な皮膚をしており
傷もタダレもなかった。つまり、元患者である。
「ある時、鳥取県のみささ温泉が良いって勧められ
何日か行ってん。そしたら温泉で良くなって、
それから肌が徐々に治っていってん。ホンマやね」
「三朝(みささ)温泉、良かったょ。お勧めやわ」と言う。
温泉に興味が全くなくて。三朝温泉がどこかも知らず、
関西から鳥取県って(微妙な距離や…)などと思った。
お湯の質が良く、湯治場もあるとの事。
ちなみに、出身は関西で山陰地方には縁がなかったそう。
でも、辛い皮膚症状に「すがる気持ちで」思い切って行った、
「そしたら、私には合ってたみたい」と言う。
もう20年ほど昔の話で、今の三朝温泉については知らない。
その時の、その人の皮膚に、その温泉の湯が適した。
当時の私は(羨ましいな)と感じた。
痛みや苦痛もなく、ゆったり湯に浸かり辛い皮膚が改善し
ついには健康的な肌へ変わるなら、とても羨ましい。
湯治場での滞在費用や交通費は、もちろん必要だが、それでも、
アトピー界隈にある『謎なアイテム』に高額を払うとか
『訳わからん代物』を苦いの我慢し、大金つぎ込んで飲むとか
そういった苦痛なく、湯に浸かって成果を得られた、
サクセスストーリーを羨ましいと思った。
今も、当時も、アトピー治療にステロイド軟膏や服薬を
望んでいないので、『お湯だけで成果』という話が、
しかも、実際に治った姿を見せられ(夢のある話やなぁ)と。
温泉は考えたことなかった、と言う私に
その人は「絶対に行き」とは強要しなかった、
ただ、自分の身に起きた変化を嬉しそうに話しただけ。
そこに好感をもった。
後で、温泉好きな人や詳しい人、何人かに聞いたら
三朝温泉は、確かに湯の質が良い温泉であり、
皮膚に効くとも言われている、とのこと。
温泉はどれも似たようなもん、と考えていたが
湯によって皮膚病だけでなく、腰痛や神経痛、婦人病とか
◎◎に良い、とされる効能が異なる、と。
その効能は「気のせい」だけではないのだろう。
そこには昔の人の知恵みたいなものがあり、
古くから湧いている湯が、今も続いてるのは
そこが「気持ち好い」「体が楽になる」何かがあり
皮膚に効果がある湯に行き、たまたま効いた人がいた。
やっぱり夢のある話やわ。
残念ながら『皆に』効果が及ぶものではない。
その人に合ったけど、私には縁がなかった。
自分には温泉という方法はなかったが、世の中には
温泉でアトピーが治ったり、辛い症状が軽減する人もいる
そう知る事が出来て、なんだか嬉しかった。
当時、私の病気を(実は)悩んでいた母も、こっそりと温泉を
他に、いろいろとチェックしていたらしい。
こちらも残念ながら目に見えた成果は得られなかった。
ここで、温泉でアトピーが治る、と言いたいのではない。
わざわざ固有名詞をだして書いたのは、宣伝の為でもない。
当時の私には適しなかった温泉。でも、効いた人もいる。
【治療の道は人によって異なる】
【誰かと自分を比べずに判断する】
自分中心が大切と言いたい。
◎◎温泉で病気が治った、と聞いた時、
その情報を採用するか?しないか?を自分が決める。
興味があったら詳しく聞いたり、調べてみて、
最終的には自分が決める。
試して(合わなかった)と判断したら、止める時を決める。
これの繰り返し。
問答無用、待ったなしで手術!とかの緊急性はない、
目にトラブル出たら即手術など、の場合もあるが
アトピーは長期的に付き合う、つまり、考える時間がある。
病の種類によって治療にかける時間も異なる。
三朝温泉で皮膚が治った、羨ましいとも思うが
私には合わなかったので別の〔手〕を考える。
お勧めに疲れ果てていたが、全てを拒絶しなかった、
ゆっくり考えて、試してみたものもある。
選んで、試して、観察(自分と相談)して、止めるか続けるか、
止めたら次を考えて、また選んで…の繰り返し…
気の長い話やなぁ、と自分でも呆れる。
そうやってン十年ずっと、アトピー性皮膚炎と付き合う。
体質に絡む病を持ってしまった私の人生。
望んでないけど、仕方ないこと。